前綴りでラテン語の語彙力を増強しよう!

漢字のほとんどが偏(へん)と旁(つくり)から構成される形声文字であるように、ラテン語の単語のほとんどは、前綴りと基本動詞の組合せからできています。すなわち、あたかも旁に偏が一味加えることにより新たな意味が生じるように、基本動詞に前綴りが一味加えることにより、新たな意味が生じるのです。そして、多くの名詞は、こうして生じた動詞からの派生語です。

したがって、前綴りを学ぶことは、漢字の偏を学ぶのと同じ効果があります。つまり、偏と旁を知っていると漢字を論理的に系統立てて容易に記憶できるのと同じく、前綴りと基本動詞を知っていると、ラテン語の単語を論理的に系統立てて容易に記憶することができるようになります。さらに、偏と旁から漢字の意味や読み方を類推できるように、ラテン語でも、前綴りと動詞の組合せから単語全体の意味を類推することができます。

現代のヨーロッパ言語においては、ラテン語の単語がほぼそのまま使用されていることが少くありません。したがって、ラテン語の前綴りをマスターすることにより、英語・フランス語・ドイツ語をはじめとした現代ヨーロッパ言語の語彙を体系立てて整理することができますし、未知の単語に対する類推力も高まります。